旧多聞院伊澤(たもんいんいさわ)家住宅
所在地 岩手県北上市和賀町岩沢
指定物件 主屋、久那斗神社里宮、
建設年代 主屋=18世紀後半~19世紀初
特徴等 一般住宅の形態を残しながら上手座敷に山伏の修験道場を持つ山伏住宅
所有形態 北上市、久那斗神社
概要
伊澤家は江戸時代のこの地方の一般住宅の形態である内厩式直屋(うちまやしきすごや)を残しながら、左側上手座敷に社寺建築特有の円柱、虹梁(こうりょう=やや反りを持たせて造った化粧梁)、大瓶束(たいへいづか=虹梁の上に立てる瓶子形の束柱)等を配し、虹梁上部は、波に竜の漆喰彫刻の欄間など道場空間への演出に意をそそいだ山伏の修験道場を持つ。主屋裏手の仙人山に祀られている仙人権現の里宮で天明7年(1787年)建築の久那斗(くなと)神社が配されており、江戸時代に於ける山伏住宅の実態がほとんど分からない現在、建築史上、文化史上貴重な遺構である。